男は立てなきゃね 〜カップルに手品を見せる〜


 男性は女性の前だと,誰でも「ええかっこ」をしたいものらしく,そんなわけで,カップルに手品を見せるのは,みょ〜に気を使ってしまうものです。つまり,男性としては「すげ〜,タネも全然わからね〜」という「自分バカじゃね」という状況は避けたいらしく,しかも女性から「今のタネわかる??」などと聞かれると,返答に困って「ん!?あっ,あ〜」などと知ったかぶりを決め込んでしまい,自ら深みにはまって行ってしまうので,大変困ったものです。私がまだ学生サークル時代,学祭では,強引な呼び込みで客を店に入れてテーブルマジックを見せていたので,こういう状態にしばしば陥りました。
 そんな時重宝して演じていたのが「ポーカー・デモンストレーション*1」です。この手品はギャンブラーのやり方として,仮の種明かしが入るので,ここで男を上げさせる事ができます。さらに,たいていの男性はポーカーをそれなりに知っていますが,女性はあまり知らないと言う点も,高ポイントです。演技では,ボトムディール*2やパス*3を織り交ぜ,「何か怪しいところがあったのがわかりました?」と男性にふって,指摘させた後に「良くわかりましたね」と男性を立てて,解説してあげれば,男性的にも満足です。もちろんその後はマジシャンのやり方を見せますが,一旦男を上げさせてあげたのたので,ここは素直に驚いてくれます。
 まっ,今じゃこんなシチュエーションも無くなりましたし,話術でなんとでもなるので,成長したって言えば成長しました。

*1:松田道弘著「トランプ・マジック」P170,演者はポーカーで自分に良い役を配る方法として最初にギャンブラーのやり方を説明します。1組のトランプの一番下に4枚のエースを仕込み,これをボトムディールして,エースの4カードを自分に配って見せます。次にマジシャンのやり方として配って見せますが,怪しいところは全くありません。自分のカードを開けると,4カードではなく,ロイヤルストレートフラッシュができあがっています。

*2:ボトムディールなんて,もちろんできないので,まるわかりですが。

*3:カットを戻すため技法として,種明かししちゃってました。まあ,もともとの使い方ですね。まずかったですか?